こんにちは。保育士のことりです。
保育士の仕事について
「サービス残業が多い」「休憩が取れない」
という話を聞いたことがある人も多いと思います。
実際の保育現場では、どのような働き方になっているのでしょうか。
この記事では、保育士として働いてきた経験をもとに
・保育士のサービス残業の実態
・休憩が取れない理由
・なぜ労働環境が改善されにくいのか
についてお話します。
現役保育士の方は私と同じように思う人も多いかもしれません。
「就業時間後の残業は、サービス残業」
「一応の8時間労働は名ばかり労働時間」
「平日も土日も家で日常保育の事前準備をやらないといけない」
あなたは保育士の残業問題についてどう思いますか?
保育士のサービス残業は珍しいことではない
保育士の仕事では、サービス残業が起こりやすいと言われます。
実際、保育現場で働く中で、定時内だけでは終わらない業務が多いと感じる人は少なくありません。
私自身、複数の園で働く中で、残業代がきちんと支払われないまま仕事を続けることばかりでした。
もちろん、すべての園が同じというわけではありません。
ただ、保育中は子どもから目を離せず、書類や制作準備、連絡帳、おたより作成などの業務を勤務時間内だけで終わらせるのが難しい場面は多いです。
その結果、勤務時間後に仕事をしたり、自宅に持ち帰ったりすることが当たり前のようになってしまうことがあります。
保育士のサービス残業は、一部の園だけの問題として片づけられないものだと感じています。
残業代を請求しづらい保育園の空気
残業をした場合、本来は残業代が支払われるべきです。
しかし保育園では、残業代を請求しづらい空気がある職場も少なくありません。
実際に、残業代を支払ってほしいと園に交渉しても
「やり方次第でできるだろう」
「あなたの力量が足りないのではないか」
というように、個人の責任にされてしまうことがあります。
私自身、こうした空気の中で働いてきたので、残業代について正面から言い出すことはできませんでした。
先輩も周りの先生たちも、それを当たり前のように受け入れている。
そんな職場では、「おかしい」と感じていても、声を上げること自体がとても難しいのだと思います。
保育士の世界では、
「子どもが好きだから」
「やりがいがあるから」
という気持ちに支えられて働いている人が多いと思います。
その気持ちがあるからこそ、
多少のサービス残業や持ち帰り仕事を「仕方ないもの」として受け入れてしまう場面もあるのではないでしょうか。
こうした職場の空気が、保育士のサービス残業を見えにくくしている原因の一つだと思います。
保育士は勤務時間中に仕事を終わらせにくい
保育士の仕事が一般の仕事と大きく違うのは、勤務時間中に子どもから目を離せないことです。
このことも、特別なことではありません。保育士が100人いれば100人全員が同じ経験をしているはずです。
勤務時間中に書類や準備の仕事を進める時間がほとんどないのです。

保育士の勤務内容については、
保育士はたくさんの子どもをどうやって見ているの?
という記事でも、保育士が子どもたちをどうやってみているのか詳しく書きました。
保育士の勤務時間は一般と同じ8時間労働です。
大抵担任保育士であれば、8時半頃から17時半頃までのシフトであることが多いでしょう(場所によってさまざまですが、基本の日勤はだいたいこれくらいの時間帯でしょう)
一方クラスが運営される時間(保育時間)は8時半頃から16時頃まで。それ以後の時間は延長保育として、事情のある(多くはお勤め)ご家庭の子どものみをお預かりします。
延長保育時間は大抵担当のパートタイマーさんや、延長保育の当番シフトの保育士で子どもを見ますので、日勤の保育士は16時でやっと子どもから離れることになります。
さて、定時まで1時間半です。一時間半もあれば色々できますよね、と思うのですが、実はそうもいかないのです。
クラスの仕事が終わると、職場によっては「反省会」というものが開かれたりします。
職員室にみんなで集まって、今日の保育はどうだったか、共有しておいた方が良い情報はあるか、など話し合うわけです。
それがテンポが良くてだいたい10分から15分。園長先生がお話するのが好きだったりすると30分、1時間と長くなる場合もあります。
今回は仮に20分かかった、ということにしましょう。
残り時間は1時間10分です。
さあ、まずは明日の保育の準備です。分かり易いところで、明日の活動は発表会のお面を作ることにします。お面の材料を教材庫から運んできて、切ったり書いたり貼ったりして人数分の準備を整えます。とても少なく見積もって1時間10分で準備完了しました。
これで勤務時間はおしまいです。
書類はいつやるのでしょうか。もっと言えば、どんなお面を作るのかということは、いつ考えたのでしょうか。
書類と一言で言っても色々な種類があります。
保育士の書類仕事は、例えば次のようなもの。
- 週案4週分(一週間の保育計画)
- 月案(月の保育計画)
- 月案の反省(一か月の保育の反省点を書き出したもの)
- クラスだより(保護者向けのお便り)
最低でもこれだけは書くことになると思います。しかもこれが、いまだに手書きでなければならない保育園もあるのです…(古きを良しとするのも限度があります)
もちろん、年齢や時期によってはこれにプラスで、
●個人記録(子ども一人ひとりについての詳しい記録)
などを書かなければならないこともあります。(例えば年少さんですと20人前後分でしょうか。もちろんもっと多いところもあります)

これができないのは本当に個人の責任なのでしょうか?力量不足だからでしょうか?
保育士は休憩時間が取れないことも多い
保育士の労働環境の問題は、サービス残業だけではありません。
休憩時間が実質的に取れない園もあります。
休憩は、こどもがお昼寝をしている間。ということになっている園も多くあります。
また、給食を食べている時間が休憩だと言い張る園もありました。
子どもが給食を食べたり、寝ていたりするのを、保育士は見ていなくて良いということなのでしょうか。
その時間に保育士が保育室を離れて良いということなのでしょうか。
子どもが寝ている間も保育士は休めない(ブレスチェックがある)
保育士は子どもが寝ている間、ブレスチェックをします。
ブレスチェックとは、午睡中の子どもがきちんと呼吸しているか、体の向きや様子に異常がないかを定期的に確認する安全管理のことです。
SIDS(乳幼児突然死症候群)などを防ぐため、一定時間ごとに確認を行います。
そのため保育士は、子どもの様子を見守りながら、その横で書類仕事などを進めることになります。
子どもの様子をしっかりと把握しながら、普段できない書類仕事を必死でこなしているのです。
つまり「子どもが寝ている時間=保育士の休憩時間」というわけではないのです。
保育士が職場に定着せず、次々と離職する理由は火を見るよりも明らかです。
保育士のサービス残業はなぜなくならないのか
保育士のサービス残業がなくなりにくい理由は一つではないと思います。
・子どもから目を離せない働き方
・人手不足
・書類や制作準備の多さ
・「保育士だから仕方ない」という空気
こうした要素が重なり、問題が長く残ってしまっているのではないでしょうか。
まとめ
保育士の労働環境には
・サービス残業
・休憩が取れない
・持ち帰り仕事
などの問題があります。
それでも私たち多くの保育士が働き続けているのは
「子どもが好き」
「やりがいを感じる」
という気持ちがあるからだと思います。

保育士個人の「やりがい」に頼らざるを得ない日本の保育。
あなたはどう感じますか?
もし保育士として働くことに悩んでいる場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。

この記事を書いた人
保育士ことりです。現場で働く中で人間関係や働き方に悩み、転職を複数回経験しました。
同じように悩んでいる保育士さんの力になりたいと思い、このサイトを運営しています。

